仮想通貨で利益が出たときに「税金ってどうなるの?」「確定申告は必要?」「会社にバレたりしない?」と不安になる人は多いと思います。
特に、税金の仕組みは難しく、どの取引が課税対象になるのかも分かりづらいため、知らないまま放置すると後でトラブルになる可能性があります。
この記事では、税金に詳しくない初心者でも理解できるように、以下をシンプルにまとめました。
- 課税される取引
- 利益の計算方法
- 確定申告が必要な条件
最低限のポイントだけ押さえることで、不要な不安や知らなかったせいで損するリスクを避けることができます。
仮想通貨の税金はどう決まる?まず知っておきたい基本
仮想通貨の税金は、基本さえ押さえておけば難しくありません。
まず最初に理解してほしいのは「どんな利益が税金の対象になるのか」と「何を基準に税金が決まるのか」という部分です。
ここが分かるだけで、後で出てくる利益計算や確定申告の判断もスムーズになります。
仮想通貨は「売却時」だけでなく「交換したとき」や「仮想通貨で買い物したとき」など、思わぬ場面で課税されることがあります。
一方で、保有しているだけなら税金はかかりません。
まずは、このような『課税と非課税の線引き』を理解するところから始めると、不要な不安が減り、税金に振り回されずに取引を続けられるようになります。
仮想通貨の利益は「雑所得」になる
仮想通貨で得た利益は、税金の世界では「雑所得」として扱われます。
雑所得とは、給料や事業収入のような『メインの収入』ではないけれど、一定の利益があれば課税される種類の所得のことです。
雑所得として扱われるということは、仮想通貨の利益は、給与など他の所得と合計されてまとめて税額が決まる「総合課税」になるという意味です。
総合課税では、所得が増えるほど税率が上がる累進課税という仕組みが採用されています。
税率は人によって異なりますが、所得が高くなるほど負担も大きくなり、最大で55%(所得税45%+住民税10%)になることもあります。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
参照:国税庁|所得税の税率
ただ、ここで重要なのは「難しい計算を覚える必要はない」ということです。
まずは「仮想通貨の利益は雑所得として他の収入と一緒に税金が決まる」という基本だけ理解しておけば十分です。
課税される取引・課税されない取引
仮想通貨で税金がかかるかどうかは「利益が確定したかどうか」で決まります。
とはいえ、初心者はこの判断がとても難しいため、まずはどの取引が課税されてどの取引が非課税なのかをシンプルに押さえておくと安心です。
課税される取引
実は、仮想通貨は売却したとき以外にも税金がかかります。
- 売却して円を受け取ったとき
- 別の仮想通貨に交換したとき(例:BTC→ETH)
- 仮想通貨で商品やサービスを購入したとき
- ステーキング報酬やレンディング報酬を受け取ったとき
これらはすべて「その時点で利益が確定した」とみなされるため、課税の対象になります。
特に仮想通貨同士の交換でも課税されるという点は、初心者がもっとも勘違いしやすい部分です。
課税されない取引
逆に、次のような取引は利益が確定していないため、税金はかかりません。
- ただ保有しているだけ(含み益)
- 自分のウォレットや別口座への移動(送金)
価格が上がっていても「売っていない」や「交換していない」という状態であれば、非課税です。
仮想通貨を長期保有している人は、この点を押さえておくだけで必要以上に不安にならずに済みます。
仮想通貨の利益はこう計算する
仮想通貨の税金は「いくらの利益が出たか」によって決まるため、利益の計算が大事です。
ここを理解していないと、知らないうちに課税されていたり、逆に「自分は大丈夫だろう」と思っているのに申告が必要だったり、ということになりかねません。
利益の計算は複雑に見えますが、基本的な考え方はシンプルです。
何を基準に利益が確定するのかを押さえ、次に計算方法のコツさえ理解しておけば、ほとんどの取引に対応できるようになります。
ここでは、仮想通貨の利益計算の仕組みを、初心者でも迷わず理解できるように順番に説明していきます。
基本の計算式(売却価格 − 取得価格)
仮想通貨の利益は、とてもシンプルな計算式で求められます。
基本は、次の通り。
利益 = 売却したときの価格 -(買ったときの価格 + 手数料)
つまり、いくらで購入して、いくらで売却したか。
この差額がプラスなら利益ですし、マイナスなら損失になります。
例えば、1万円で仮想通貨を購入し、2万円で売った場合、利益は1万円です。
この差額が税金の対象になります。
ここで大事なのは「売却した瞬間に利益が確定する」という点です。
保有しているだけでは税金はかかりませんが、売却や交換などで実際に動かしたときに利益が確定します。
取得価格の計算方法(総平均法・移動平均法)
仮想通貨は基本、複数回に分けて購入していますよね。
この場合、どの購入価格を使用して利益を計算すれば良いのか、分からなくなることがあります。
このとき必要になるのが『取得価格をどう計算するか』という考え方です。
取得価格には、主に次の2つの計算方法があります。
総平均法 | 年間の取引をまとめた合計額を購入数量で割って「1単位あたりの購入価格」を出す方法。 |
|---|---|
移動平均法 | 購入するたびに、その時点での平均取得価格を更新していく方法。 |
仮想通貨の利益計算は「総平均法」と「移動平均法」のどちらを選んでも構いません。
ただ、以下の理由から、初心者なら総平均法で十分です。
- 個人は、特別な届出をしなければ自動的に「総平均法」が適用される
- 移動平均法は、取引のたびに計算を更新する必要があるため、手間が大きい
言いかえると、初心者が無理に移動平均法を選ぶメリットはほとんどありません。
移動平均法が向いているのは、毎日のように売買を繰り返すような上級者です。
仮想通貨同士の交換でも利益が出る理由
仮想通貨は「円に換えたとき」だけ課税されると思っている人が、とても多いです。
しかし、実際には、仮想通貨を別の仮想通貨に交換したときにも利益が確定します。
なぜかというと、税金の世界では「交換した時点で仮想通貨を一旦は売った」と見なされるためです。
例えば、ビットコイン(BTC)を買った値段より値上がりしている状態で、イーサリアム(ETH)に交換したとします。
このときは「値上がり分は利益として扱われて課税対象になる」という仕組みです。
つまり「交換=売却」と同じ扱いだと考えると理解しやすいでしょう。
この仕組みを知らずに交換を繰り返すと、気づかないうちに大きな利益が出ていた扱いになり、後からまとめて税金が発生することがあります。
仮想通貨の取引に慣れていない初心者ほど、ここは必ず押さえておきたいポイントです。
確定申告が必要かどうか判断するポイント
仮想通貨で利益が出たときに悩むのが「確定申告しないといけないのか」という点です。
実は、これを判断するためのルールは、そこまで複雑ではありません。
以下の2つに該当する場合、仮想通貨で得た利益の確定申告を済ませる必要があります。
- 仮想通貨を始め、本業以外の利益が20万円を超えた
- 本業以外の利益は20万円未満だが給与所得がない(主婦・学生・個人事業主など)
基本的には、仮想通貨で利益が出れば、ほとんどの人が確定申告する必要があります。
ただし、会社員だけは「本業以外の年間利益が20万円以下なら確定申告は不要になる場合がある」という特例があります。
逆に、給与所得がない人(フリーランス・学生・専業主婦など)は、この特例を使うことができません。
ここでは、この2つの判断ポイントをもとに「自分は確定申告が必要なのか」 を迷わず判断できるように解説していきます。
本業以外で年間20万円以上の利益が出ている
確定申告が必要かどうかを判断するうえで、まず見るべきなのは 「本業以外で得た所得が1年間でいくらになったか」 という点です。
ここでいう本業以外の所得には、仮想通貨の利益だけでなく、アフィリエイト収入や副業の報酬なども含まれます。
例えば、仮想通貨の利益が10万円だったとしても、他に副業で15万円の収入があれば、合計は25万円になります。
この場合は20万円を超えるため、確定申告が必要です。
重要なのは、仮想通貨だけではなくて「本業以外の所得を合計して20万円未満かどうか」を確認すること。
ここを勘違いすると「20万円未満だから申告しなくていい」と誤解してしまうので、注意が必要です。
給与取得者かどうか
本業以外の年間利益が20万円未満なら、確定申告は必要ないとお伝えしました。
実は、このルールが適用されるのは「給与所得者」のみ。
分かりやすくいえば、会社員として給料をいただいている方になります。
そのため、給与所得がない以下のような人は、たとえ年間利益が20万円未満であって、確定申告しなければいけません。
- 学生
- 専業主婦
- フリーランス
- 個人事業主
会社員の人は、普段の税金(所得税)が年末調整で処理されています。
そのため、仮想通貨など本業以外の所得が少額であれば「わざわざ確定申告しなくてもよい」という仕組みが用意されています。
ただ、会社員であっても、給与を複数の会社からもらっている場合や、副業の種類によっては20万円ルールが適用されないケースがあります。
つまり、会社員であれば必ず使える制度ではなく、以下の条件を満たしている必要がある訳です。
- 給与所得が1ヶ所
- 年末調整が済んでいる
このように、確定申告が必要かどうかを考えるときは「本業以外の所得の金額」と「自分が給与所得者かどうか」の2つをセットで考えることが大切です。
初心者が今すぐできる簡単な対策
仮想通貨の税金は複雑に感じますが、実は今すぐできることを少し整えておくだけで、確定申告の負担は大きく減ります。
初心者の場合、日々の取引をそのまま放置していると、後になって「何をいつ買ったのか」や「どこで売ったのか」が分からなくなり、利益の計算が一気に難しくなってしまいます。
ここでは、税金の専門知識がなくてもできる、もっとも効果が大きい準備だけを紹介します。
どちらも難しい作業ではなく、今日からすぐに始められる内容です。
小さな対策でも、あとで慌てずに済むので大きな安心につながります。
取引履歴をまとめておく
仮想通貨の税金でやっかいなのは「いつ・どこで・何を・いくらで売買したか」が後から分からなくなることです。
取引所が複数ある場合や、仮想通貨同士の交換を繰り返している場合、履歴がバラバラになりがちで、確定申告の時期に苦労する人がとても多いです。
そこで大切なのが、取引履歴を日ごろから1か所にまとめておくことです。
取引所からダウンロードできる「取引履歴のCSV」をパソコンやクラウドに保存しておくだけでも、あとでの作業が驚くほど楽になります。
また、内容が分かるようにフォルダを分けて整理しておくと、計算ツールに読み込ませるときや税理士に相談する場面でもスムーズです。
履歴が揃っていれば、利益の計算に必要な情報はほとんど揃うため、初心者でも安心して次のステップに進めます。
損益計算ツールを利用する
仮想通貨の利益計算は、手作業でおこなうととても大変です。
取引の回数が増えるほど、購入価格や手数料を正確に追うのが難しくなり、気づかないうちに計算ミスが起きることがあります。
そこで役に立つのが、損益計算ツールです。
損益計算ツールは、取引所からダウンロードしたCSVファイルを読み込ませるだけで、1年間の利益や取得価格を自動で計算してくれます。
総平均法や移動平均法といった計算方法も自動で処理してくれるため、初心者でも正確な利益が分かります。
ツールにより「どれだけ利益が出ているのか」や「申告が必要かどうか」も判断しやすくなります。
税金に詳しくない人ほど、早い段階でツールを使っておくと安心ですし、確定申告前に慌てる必要もなくなります。
まとめ:まずは「課税タイミング」と「利益計算」だけ押さえよう
仮想通貨の税金は複雑に見えますが、初心者が最初に理解すべきことは多くありません。
まず大切なのは「どんな取引で税金がかかるのか(課税タイミング)」と「利益をどう計算するのか(利益計算)」の2つだけ。
この2つが分かれば、確定申告が必要かどうかの判断もずっと簡単になります。
取引したときに課税されるのか、保有しているだけなら関係ないのか。
この線引きが理解できれば、思わぬタイミングで課税される心配が減ります。
そして、利益計算の基本である「売却価格 − 取得価格」の仕組みが分かれば、自分がどれだけ利益を出していて、申告が必要かどうかも判断できるようになります。
細かい制度や例外を、全て覚える必要はありません。
まずは、この記事で紹介した最低限のポイントを押さえるだけで、税金に対する不安は大きく減り、間違った判断をするリスクも避けられます。
今後の取引量が増えたり、より複雑な取引をおこなうようになったときに、必要な知識を徐々に足していけば十分です。



